特集:楽観主義健康法 第2部

善玉ホルモン、悪玉ホルモン

いつも明るくて、何か起こってもあっけらかんとしている人に対して、周りの人はよく「長生きするよ」などと言ったりしますが、この事は現代医学でも裏づけられそうです。
私たちの脳にはさまざまなホルモンが分泌されていますが、それらの中には、免疫力を強化させる善玉ともいうべきホルモンもあれば、免疫力を低下させる、悪玉ともいうべきホルモンもあります。前者の代表がベータエンドルフィンであり、後者の代表がアドレナリンです。
どういう時にこれらのホルモンが分泌されるかについては種々の説がありますが、一般に、アドレナリンは恐怖や不安、あるいは闘争の際に多く分泌され、ベータエンドルフィンは、喜んだり楽しんだり、安心している時などに多く分泌されるようです。

さて、物事を楽観的に考える人は、心身の病気にかかりにくく、仕事やスポーツ、学業の面でも、良い成績をあげているというデータが、研究者などによって数多く報告されていますが、こうした人たちは、ベータエンドルフィンの分泌が普通の人よりも盛んだと考えられます。

周囲の人たちを観察してみれば、明るい人ほど健康的な感じがするというのは、何となく納得できる気がします。

楽しむためには集中力が必要

たとえば同じ仕事をするにしても、楽しみながらするのと、嫌々するのとでは能率も違いますし、ストレスの感じ方も段違いです。

「これを知る者は、これを好む者に如かず、これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」とは、『論語』にある孔子の言葉ですが、脳内ホルモンについてある程度解明された今日、科学的に十分な説得力を持つ考え方と言えるでしょう。

仕事を楽しんでやる、と言うと、中には「不謹慎だ」と感じる人もいるかもしれません。しかし、ここで述べている「楽しみながらやる」、というのは、遊び半分という意味ではありません。何事も、真剣に取り組んだ時でなければ充実感(=楽しみ)は得られないものです。真に楽しむためには、それなりの集中力が必要だということです。

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