ココロトピックス

2017/06/12

No.100

5月病に変わって「6月病」に注目が

梅雨の到来ともに気持ちが沈み、不安定に

4月からの新年度で新社会人をはじめ希望とともに新たな環境に飛び込まれた方は多いと思います。しかし、そうした方々の中には、慣れない環境で気が張る4月をなんとか乗り切り、連休で一息ついて連休明けに出社したものの、なぜか気持ちが落ち込む、眠れない、体の調子が悪いなど、心身の不調を訴える人がしばしば見受けられます。そう、ご存じ「5月病」です。


ところが最近になって、なぜか5月ではなく6月に同じような不調に陥る新社会人が続出。「6月病」と呼ばれて問題になっています。いったいなぜいま6月に心身の不調を訴える人が増えているのでしょうか。


新しい環境下では、慣れないことばかりで知らず知らずのうちに心身に疲れが溜まってしまいます。そんな中、近年新入社員の研修期間を長めに取る企業が増加。ようやく研修が終わって職場に配置され、実際の仕事や人間関係の中でさまざまな現実に直面する中で心身に疲れが溜まるのが6月なのです。さらに、転勤社員も近年のIT化などで変化に適応するのに前より時間がかかることで、6月になって新入社員と同じような状況に追い込まれています。


ましてや梅雨期の6月は、暗くジメジメとして心が落ち込む季節・・心身の症状が悪化しやすい季節なのです。


医学的には「適応障害」という立派な精神疾患

6月病になりやすいのは、真面目で几帳面で責任感が強く、感情をあまり表に出さない人が多く、ささいなミスで落ち込んだり、自分を追い込んだりしてストレスを溜め込みがちです。


6月病の症状としては、落ち込み、倦怠感、意欲減退、不安や焦り、イライラ、パニック、判断力や思考力、集中力の低下などといった心的症状にくわえて、疲労感、だるさ、めまい、不眠、お腹の不調、肩こりや頭痛などといった身体症状が挙げられ、これらの症状が2週間以上続くようだと要注意です。


6月病は医学的には「適応障害」に分類される立派な精神疾患で、さまざまな環境の変化に適応できずに心身が疲れ切っている状態をいいます。うつ病の一歩手前であり、悪化すると本物のうつ病に移行してしまう可能性もあるので、早めに専門家に相談することが必要でしょう。