ココロトピックス

2018/02/13

No.108

WHOが「ゲーム依存」を国際疾病指定へ

ネットの普及で世界に広がるゲーム依存

若者を中心に世界的に蔓延している「ゲーム依存」について、世界保健機関(WHO)は現在改訂中の国際疾病分類(ICD)に盛り込む方針を明らかにしました。


これまでオンラインゲーム(ネットゲーム)などのゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたすゲーム依存については統一定義や国際的統計がありませんでした。しかし、インターネットの普及で同ゲームが世界的に人気を博する中、病気などの世界統一基準であるICDの新定義が決まったことで、各国での実態調査や診断治療、対策などへの貢献が期待されています。


昨年末のWHOの最終草案では、ゲーム依存(ゲーム障害)を「持続または反復するゲーム行動」と定義。症状としては、ゲームをしたい衝動を自己制御できない、ゲームを他の日常活動より優先する、生活などに悪影響が起きてもゲームを続ける、日常生活を送る上で重大な障害(家族との関係、学習、仕事など)が生じるなどを挙げています。


ゲーム依存の診断基準となる症状の最低継続期間は12カ月で、進行が早い幼少期で上記すべての症状をともなう重症ケースではそれ以下でも該当するとし、今年5月のWHO総会を経て6月の公表が予定されています。


韓国などでは死者も。とくに中高年はご注意

ゲームは家族や友人関係、学校や職場などの現実世界の悩みや不安、ストレスなどを一瞬だけでも忘れさせてくれます。しかし、それを繰り返すうちに次第にバーチャル空間にのめり込んでゆき、ついにはゲームをしたいという衝動を自制できなくなって、現実生活に支障をきたしてしまうのです。患者はオタク系の若い男女はもちろん、30~60代の一見普通の男女にまで広がっているといいます。


ゲーム依存になると長時間ゲームにのめり込むことで心身を害してしまいます。オンラインゲーム先進国の韓国では、ゲームのやり過ぎによる複数の死者が出ており、報告されないものを含めると死者数はさらに増えるといわているのです。


とくに最近問題になっているのがゲーム依存による中高年の死亡で、水分を取らぬまま長時間モニターの前に座った後で急に立ち上がることで血栓が血管に詰まるエコノミー症候群によって脳溢血や心筋梗塞などの重篤な循環器系疾患を引き起こしてしまいます。