ココロトピックス

2023/09/07

No.124

自殺予防週間がはじまります

子どもの自殺対策がポイント

9月10日(日)から16日(土)まで秋の自殺予防週間がはじまります。

自殺予防が呼びかけかれるのは、この9月の自殺予防週間と3月の自殺予防月間です。

3月は、年度末にあたり経済的状況を理由に自殺が増えるシーズンです。日本の自殺者の多くを占める中高年男性の自殺対策として大事な時期になります。
では9月に自殺対策が必要なのはどうしてなのでしょう。

ひとつは気候の変化です、気温が下がり、日照時間が短くなると、うつ病など精神疾患を発症するひとが増えることがあります。

もうひとつが、夏休み明けに若者の自殺が増えることです。

(H27年自殺対策白書より)


自殺対策白書が、過去40年の18歳以下の日別自殺者数をまとめたことがあります。ピンと大きくピークをつくっているのが、9月1日です。

若者の自殺の原因には、進路の悩み、学業不振、両親との不和などさまざまな要因があり単純ではありません。
ただ夏休みが終わり、新学期がはじまるタイミングは、いずれの悩みをもっている子どもにとっても、プレッシャーの高まる時期なのです。



子どもにどう接すればいいのか

子どもの自殺は周囲には青天の霹靂となることも多いようです。
自分の子どもが自殺などするわけがないという思い込みをはずして、すこし丁寧に注意して見ることが大切です。
どんなことに注意し、どうすればいいのでしょう。

1)子どもの訴えに耳を傾ける、登校を無理強いしない
「学校に行きたくない」と子どもが声をあげたときは、まずはどうしてそう感じているのかをしっかり聞いて、受け止めましょう。一般論で説教したり、みんなもがまんして学校に行っているといった一方的な話はしないようにしましょう。

2)ことばにならない訴えにも、注目する
「頭がいたい」「おなかがいたい」といった身体の不調や、食が進まないようすやしっかり眠れていないなど、言葉をうまく使えない、気持ちを言葉にできない子どもは、身体の症状を通して訴えてくることがあります。

3)専門家に助けを求める
親や家族も、自分だけで抱え込まないことが大切です。子どものこころの問題が簡単に解決するとは限りません。対応に疲弊し、ぞんざいな対応をしてしまった結果、よくない方向に転んでしまうことも大いにありえることです。また専門家の知見が役立つケースもあります。通っている学校のスクールカウンセラー、あるいは、地域の相談機関などを活用するようにしましょう。

こころの健康相談統一ダイヤル ( 0570-064-556 ナビダイヤル )
は、地方自治体が運営し、家族も無料で相談できる相談先です(通話料はかかります)。

周りにいる大人たちは、気に留めるだけでなく、子どもに対して関心をもっていて、味方であることを、形にして子どもに伝える機会として、この9月をすごしてみてはいかがでしょうか。




参考資料:
誰でもゲートキーパー手帳(厚生労働省)