ココロトピックス

2022/02/17

No.118

コロナ禍のもと、子どもたちに増えた病気

「コロナ禍の子どもの心の実態調査」で判明

2021年10月に、国立成育医療研究センターの「子どもの心の診療ネットワーク事業」が、全国26の医療機関の実態を調査した結果を発表しました。

調査の結果、神経性食欲不振(神経性やせ症)の受診・入院の数が、コロナ前の2019年と比して、大きく増加していることが判明しました。

神経性やせ症とは、極端な食事制限をしたり、過剰な食事後に吐き出す、過剰な運動を行うことなどで、正常体重より明らかに低い状態となる摂食障害の一つです。

初診外来患者として訪れた子どもの数が、1.6倍。新規に入院した患者の数が1.4倍になっています。

コロナ感染症への不安の他に、生活環境の変化、さまざまな行事が中止になったり、友だちに会えないことのストレスがあると推測されています。
別の調査では、子どもの4人に3人に、ストレス反応を示していたとの結果もあります。


深刻な病床不足が発生

子どもの摂食障害を治療できる医療機関が少なく、その医療機関でもコロナ病床に病床を取られるなどした結果、摂食障害の病床充足率が200%を超えると回答した医療機関もありました。

・病床の確保をする
・摂食障害を治療できる医療機関を増やしていく
ことが大切です。

子どもはコロナ感染症では重症化することが少ないと言われ、世間の関心が低かったために関連して起こっている事態に目が行き届いていない側面があるのではないでしょうか。

神経性やせ症は、当事者である本人は病気を否認することが多く、適切なタイミングでの受診を逃しがちです。
食欲や体重について、周囲が気を配り、深刻になる前にかかりつけ医に受診するようにしましょう。



参考資料:
「コロナ禍の子どもの心の実態調査」 国立成育医療研究センター 2021年10月21日