2020/08/24
No.113
コロナウィルスの拡大が収まらないなかで、身の回りにこんな人は出ていないでしょうか。
●忍耐強かったり、穏やかだったのに怒りっぽくなった
●言動が、コロナ前では考えられないものになっている
こうした変化はコロナウィルスに感染しているわけではありません。
「人間の体調は、社会や環境の変化によって大きく影響を受けてしまう」からです。
「原因のわからない病気の診断と治療」を専門とする國松淳和医師(南多摩病院)は、CIAMS(シャムズ、Coronavirus-induced altered mental status:新型コロナウィルス感染症が誘発する精神状態の変化)という概念を提唱しました。
シャムズは病気ではありませんが、人によっては自殺のリスクになるといいます。放置することはできません。
変わってしまった言動に振り回されるのは、周囲の人でもあるからです。
國松医師が提唱する対処法は、次のようなものです。
●雑談をする
・会わなくてもOK
・文字だけでもOK
●ラジオや音楽を流す(ほどよい喧騒で脳が落ち着く)
●テレビはあえて見ない(コロナのニュースは不安を増幅させる)
診療の現場の実感として、大きな病気がないのに体調が悪い、いろんな症状がある人は「会話が少ない」という共通点があるといいます。
「人薬(ひとぐすり)」という言葉がありますが、気のおけない人間関係がなによりの解決策になるようです。
テレワークが広がり、ZOOMなどビデオ会議のツールにふれる機会もありました。仕事だけでなく、行動が制限され気軽に会えない今こそ、活用してみるのもよいかもしれません。
※参考資料
國松淳和『コロナのせいにしてみよう シャムズの話』(金原出版)
出版社ページ
https://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/detail.html?isbn=9784307102032