2022/11/16
No.122
こころの不調は、誰にでも起こりうる時代です。
しかし、こころの不調とはどういうものか、どんなときに起こるのか、といったことへの理解は広まっているとは言えません。
予防したり、悪化する前に専門家につないだりするためには、周囲にいる人が気づき、声をかけ、話を聞く必要があります。
まわりに気づいたり、話を聞いてもらえない状況が、「孤立」です。
孤立してしまえば、養育者の場合であれば虐待につながりますし、アルコールや薬物への依存に進んでしまうこともあるでしょう。
「こころの不調で悩む人をサポートするため、 さらには偏見のない暮らしやすい社会を作るため」に厚生労働省がはじめたのが、こころサポーター養成の活動です。2033年までに100万人を目標としていて、一部のモデル地方自治体を舞台に養成研修がはじまっています。
こころサポーターの養成研修は、2時間を目安に実施されるとなっています。
これは、先行して実施されている認知症サポーター(90分)とも変わらない感じでしょう。2005年からはじまった養成講座を受講したサポーターは1400万人を超えています。
話を聞く、支える側のサポーターに対して、セルフケア、セルフ・モニタリングを学ばせるところから始まっています。
「“誰かのこころに寄り添いたい”と思う気持ちが強い人ほど、ご自身の心身の疲れを後回しにしてしまうことがある」からです。
その上で、気づく、声をかける、話を聞く、サポート手段を伝えるという関わり方を学びます。
今年度(令和4年度)は、モデル事業として限られた自治体での開講となっているようです。来年以降、お住まいや勤め先近辺の自治体で講座が開かれていないか探してみるとよいでしょう。
参考資料:
NIPPON COCORO ACTION
認知症サポーターキャラバン
東畑開人『聞く技術 聞いてもらう技術』筑摩書房